こんな疑問にお答えします。
本記事の内容
・ダブル発電とは
・損得計算(導入費用と光熱費)
・評判と感想
「ダブル発電はエコですし、光熱費も抑えられるのでお得ですよ」という説明を聞いて、2017年に新築戸建に導入した太陽光パネルとエネファームによるダブル発電。
本当にお得なのだろうか?
と疑問に思ったので計算してみることにしました。
結果は『10年間で36万円損、19年間で±0円』ということでした。
光熱費は抑制できるのですが、ダブル発電により売電単価が下がるのとエネファームのコスパが理由です。
ただ、2019年からダブル発電でもシングル発電と同じ売電単価に変更されたため、現在は2年早くお得になる可能性はあります。
仕組みや細かな計算含めて紹介していきます。それでは、早速始めていきましょう。
Contents
ダブル発電とは(W発電)
ダブル発電とは、太陽光発電と自家発電設備の双方を設置した発電環境のことを指します。
自家発電設備で発電された電気が自宅消費されるため、太陽光発電単独のシングル発電よりも売電電力は増加します。
経済産業省は、ダブル発電で得する状態(押し上げ効果)を抑制するため、固定価格買取制度のダブル発電の売電単価を調整することにしました。
しかし、その調整は2018年に終了し、2019年からダブル発電でもシングル発電と同じ売電単価で買取されるようになっています。
自家発電設備とは
自家発電設備にはエネファームのような燃料電池や電気自動車を含む蓄電池が該当します。
エネファームは発電しますが、蓄電池は電気を貯めるだけであり発電するわけではありません。
しかし、蓄電池を利用すると発電設備と同じようにみなされてダブル発電に含まれてしまいます。
エネファームとは
エネファームとは「我が家の小さな発電所」と言われます。
都市ガスから取り出した水素と空気中の酸素を反応させて発電し、その時発生する熱を利用してお湯も作ります。
燃料は同じガスでも火力発電とは異なりCO2を排出しないため、環境に優しいエコな発電として国から補助金が用意されて普及が推進されています。
太陽光発電とは
太陽光発電は、ソーラーパネル(太陽光パネル)表面の半導体を利用して太陽の光エネルギーを電気エネルギーに変換する仕組みです。
太陽光が半導体の中の電子に当たると電子は移動できるようになります。
この電子の移動が電流であり、電流を電気と呼んで家庭内消費や売電に利用しています。
損得計算(イニシャル費用と光熱費)
2017年にダブル発電を開始したわが家の10年間の損得計算をしました。
結果は36万円損です。
上のグラフは太陽光発電による売電単価を示しており、契約開始した2017年はダブル発電の方が2円安くなってます。
その上で、エネファームを設置せずにガス給湯器を選択したシングル発電と比較しました。
<太陽光発電の売電金額の比較>
【総額】 -10万円/10年
【内訳】
ダブル発電 139万円(単価25円)
シングル発電 150万円(単価27円)
※年間売電電力4826kWh
<エネファームとガス給湯器の比較>
【総額】 -26万円/10年
【内訳】
エネファーム 152万円
ガス給湯器 126万円
太陽光発電の計算
わが家のダブル発電による売電金額をシングル発電と比較すると10年間では10万円損という結果になります。
固定価格買取制度の売電単価は契約年から10年固定であり、2円の売電単価差は10年続きます。
年間発電電力(4826kW)に対する売電差額は9.6千円となり、10年間で10万円の差が発生します。
ただ、2019年以降の契約であれば単価差分はないため、現在ダブル発電を設置しても売電による損失はありません。
また、太陽光発電単体の損得についてもまとめていますので参考にしてみてください。
>> 【10年後は32万円得】新築戸建てに家庭用太陽光発電パネルを設置
エネファームの計算
エネファームを一般的なガス給湯器と比較すると10年間では26万円損という結果になります。
その理由は高額なイニシャル費です。
光熱費は10年で43万円得するのですが、イニシャル費の差額69万円を回収するには至りません。
<エネファーム>
【総額】 152万円/10年
【内訳】
イニシャル費用 89万円
ガス代 63万円
発電電力 20650kW
<ガス給湯器>
【総額】 126万円/10年
【内訳】
イニシャル費用 20万円
ガス代 52万円
電気代 54万円(20650kW相当)
<差額>
【イニシャル費】 -69万円
【光熱費/10年】 +43万円
お得になるのは19年後
年間光熱費はダブル発電にすることで抑制できているため、故障なく長く使用できれば得する可能性もあります。
その境界線は19年です。
エネファームによる年間光熱費の抑制分が4.3万円のため、-36万円を回収するためには9年必要です。
エネファームの保証期間は10年であるため、その後も10年故障せずに使用し続けられることを祈りたいですね。
一方、これから設置する方はエネファームのイニシャル費用だけで判断すれば良いので、補助金含めていつ回収可能なのか計算して判断するのが良いです。
エネファームに関する内容を以下の記事にまとめていますので参考にしてみてください。
>> 【10年間では26万円損】エネファーム設置感想と評判を総まとめ
評判・口コミと感想
ダブル発電は10年間では36万円損という結果になりましたが、購入者の評判や口コミを調査してみました。
メリット
電気代は安くなって当然ですが、月々の固定費が抑制できるのは家計に優しくなるのでメリットと感じる方も多いようです。
また、災害時に使用できるのは天災が多い日本では心強いですね。
デメリット
太陽光は効果が大きいのですが、エネファームはイニシャル費用が高いためコスパが悪くなってしまいます。
また、売電単価は現在は差がなくなっていますが、2018年までに売電単価が下がると知らずに購入した人で悔しい思いをしている人はいるようです。
設置した感想
設置して良かったなと感じています。
損得±0円になるまで19年間かかりますが、環境に優しい発電ですし、設置から4年のうちに2回ほど停電時に利用しました。
このまま故障せずに19年経過すれば、文句はないですね。
ただし、お湯の使用量が少ない家庭では発電量が減るため、さらに効果が下がることが想定されます。子どもがいない家庭や子どもが独立した家庭にはエネファームの設置は不要かと思います。
まとめ;損得よりエコ&非常時
わが家のダブル発電は費用回収まで19年かかるため、決してお得とは言えません。
現在の売電単価でも±0円までに17年かかります。
しかしながら、エネファームはC02を排出しないエコな発電設備でありますし、緊急時にバックアップ電源として動作可能になっています。
地球温暖化が課題視される時代に災害大国日本で暮らすことを踏まえて、損得だけでなく判断するかがポイントになります。
>> 【10年後は32万円得】新築戸建てに家庭用太陽光発電パネルを設置