こんな考え事にお答えします。
本記事の内容
・全館空調の良い点・悪い点
・実際の費用公開
・実際の設定とメンテナンス
生涯に一度のマイホーム設計。全て万全の情報を仕入れて進めていきたいですよね。
その中でも重要なポイントになる空調システム。床暖房+エアコンを取り付けるか、家全体の空調を管理する全館空調か選択が迫られます。
我が家は『快適性、空気清浄、無垢フローリング』に魅力を感じて全館空調(エアドリームハイブリッドfシリーズ)を選択しました。
実際に設置して生活してみて感じるメリット・デメリットを紹介します。
また、気になる驚愕の費用についても実情報を公開しながら解説します。
それでは、早速始めていきましょう。
Contents
住友林業の全館空調(エアドリームハイブリット)
住友林業の全館空調システムであるエアドリームハイブリットは、一つの空調で家全体の換気と冷暖房、除湿、空気清浄の機能を備えたシステムです。屋根裏に空調機を設置し、配管を引き回して各部屋に空気を送り込みます。
全館空調大手メーカーのアズビルとの共同開発によるもので、2015年にグッドデザイン賞を受賞しています。
一般電源とは異なる三相電源仕様であることや、熱交換換気は最大効率90%の高い省エネ性能を実現しており、電気代と環境に配慮した空調システムとなっています。
室内機は写真のように室内に設置するタイプと屋根裏に設置するタイプが選択可能です。
住友林業全館空調のメリット
全館空調を導入して快適だなと感じるメリットは大きく3つあります。
ご自身が期待する内容と合致するかチェックしましょう。
<メリット>
①安定温度の快適さ
②家全体の空気清浄
③デザイン性
メリット① 快適さ
家全体の温度が安定することは想像以上に快適です。
夏冬は、外から帰ってきた時から気持ち良いですし、部屋を移動する時に寒さや暑さを気にすることはなくなります。
さらに冬は、布団から出る時に躊躇することもないですし、お風呂の脱衣所での寒さを感じずに過ごすことが可能です。
また、夏の寝苦しい夜とは無縁になりますし、エアコンをつけて寝た時の朝だるい感じも全くありません。
メリット② 空気清浄
花粉症の夫婦ともに家の中では全く花粉が気にならないようになりました。
フィルターの汚れ具合を見ると家の中でも塵や埃がたくさんあって、除去してくれているんだなと感じます。
マンション生活の各部屋に空気清浄機を設置していたときに比べて、格段に空気清浄能力は高いと感じます。
メリット③ デザイン性
無垢材をフローリングに選ぶことが可能です。
木の感触が気持ちが良く、オシャレな無垢材は温度変化に弱いため、床暖房との相性が良くありません。
過度な収縮をして、沿ったり割れたりして早めに交換を余儀なくされることから、床暖房で使用可能な無垢材が限定されてきます。
そのため、幅広い無垢フローリング選択と快適性を両立する全館空調は床暖房にはない強みになっています。
我が家は床暖房では選べない『メープル』の無垢材を選択しました。
また、屋内外がスッキリした印象になります。
各部屋にエアコンを設置しませんし、室外機も一つで済みます。各エアコンの配管もなくなるので見た目の印象は良くなりますね。
住友林業全館空調のデメリット
メリットだけであれば良いのですが、残念ながらデメリットも存在します。
設置してからこんなはずではなかったと後悔しないようにしっかり生活のイメージをしてみましょう。
<デメリット>
①冬場の乾燥
②温度調整が遅い
③音が大きい
デメリット① 乾燥
実際に使ってみて最も気になるのは乾燥です。
夏はカラッとして良いのですが、冬の乾燥はとても厳しいです。
冬は加湿器なければ湿度20%程度で推移することになるため、男性でも喉痛や肌のつっぱりを強く感じます。加湿器なしでの生活は考えられません。
寝室には強力な加湿器だけでなく濡れたタオルを設置して、ようやく快適に寝ることが出来ます。そのタオルは朝にはすっかり乾燥してしまっている程です。
加湿について詳しく説明した記事を用意してますので興味のある方はこちらからアクセスできます。
>> 全館空調の広い部屋におすすめ加湿器!リビングの乾燥脱却
デメリット② 温度調整が遅い
急速に室温を下げることが出来ません。
真夏、友人や親戚が家に来て人口密度が高まって暑く感じる時、一般的なエアコンであれば設定温度を下げて快適な温度に調整することが可能ですが、全館空調の場合は家全体の温度を調整するため時間がかかります。
設定温度を下げても室温が下がるのは数時間後なので、扇風機や冷たい飲み物で体の火照りを静めてもらうなど工夫が必要になります。
デメリット③ 音
同じフロアでは、常時ファンが回る空調の音が聞こえてきます。
屋根裏設置ではなく2Fに機械室を設けた場合、1Fで生活している時には聞こえてきませんが、2Fでは常に音が聞こえるため、換気扇の音などが気になる方には悩ませるポイントになってきます。
ただ、加湿器の音の方が大きかったりするので、生活していると慣れてはきます。
全館空調とエアコンの費用比較
全館空調を30年間使用すると総額623万円かかります。
一般的なエアコンと比較すると400万円もの差となります。
費用はイニシャル費・メンテナンス費・電気代、修理代の4つに分類できるので、それぞれ細かく確認していきましょう。
全館空調イニシャル費用
『エアドリームハイブリッドfシリーズ・3馬力システム』は単価180万円であり、吹き出し口費用や取付費用含めて合計226万円です。
一般的なエアコン価格・取付価格を15万円/台とし、5部屋取り付けることを想定すると合計75万円となります。
全館空調メンテナンス費用
メンテナンス費用(定期点検)は年間30,000円、長期保証7万円(申込時)です。
30年間使用すると合計97万円かかります。
定期点検を実施することで故障リスクが低減するため、申込金を支払うことで10年間長期保証サービスに加入することが可能です。
定期点検を受けなければ長期サービスが受けられないので、全館空調導入と定期点検はセットで考えるべきですね。
全館空調の電気代
2019年, 2020年の全館空調電気代(実線)と横浜市平均気温(点線)の推移です。
2年とも夏場より冬場の方が電気代はかかっており、特に一年で最も寒い1月の電気代がトップです。
この2年間を比較すると、平均外気温に大きな差がありませんが年間電気代は1.2万円の差となっています。
<年間電気代>
2019 10.1万円
2020 8.9万円
要因としては、2019年と2020年で設定温度を変えていたのでその影響が大きいと考えられます。また、送風と冷暖房の切り替え時期によっても電気代に差が発生してきます。
<設定温度>
2019 冷房26.0℃ 暖房22.0℃
2020 冷房26.5℃ 暖房20.0℃
また、この電気代から生涯電気代を計算すると、年間10万円として30年間利用で合計300万円となります。
一般的な家庭のエアコン年間電気代は約5万円/年とされているため、30年間利用で合計150万円となります。
全館空調の修理代
10年間長期保証サービスに加入していれば、期間中は故障対応1回につき9,500円に設定されています。
それ以降は、故障内容によりますが本体交換となると約100万円と考える必要があるでしょう。
一方、一般的なエアコンは15年交換と考えるとイニシャルコスト同様に75万円がかかります。
全館空調を選択したい方は値引き交渉を成功させることを心がけましょう。全館空調含めて500万円以上の値引きを実現した手順を紹介しています。
全館空調の設定とメンテナンス
我が家の全館空調の設定とメンテナンスを紹介します。
設定とメンテナンスによって、電気代や空気清浄機能、故障リスクが変わってきますので意識するようにしましょう。
全館空調の設定
パネルで温度や風向を設定しています。
季節によって設定を変更しているので年4回は少なくとも操作が必要です。
<設定運転モード>
春・秋 送風
夏 冷房
冬 暖房
室温が安定したら電気代抑制のために自動で送風運転に切り替わるため、春秋も冷暖房に設定していても良いようですが、温度を一定に保とうとするため、電気代を極力抑制するためには送風設定に変更するのが良いです。
送風ではなく運転停止にしたいと思うところですが、配管にカビや藻が生えてしまう恐れがあるため、長期間の停止は推奨されていません。
また、全館空調は冷暖房だけでなく家の空調システムとしても働いているため、室内の換気が悪くなり、ハウスダストなど人体への悪影響が心配されます。
ただ、送風に設定すれば全館空調の電気代は約4000円であり、基本料金2500円と比較しても大差はありません。
そのため、全館空調は停止せず、送風か冷暖房設定で動作させ続けるのが良いでしょう。
全館空調のメンテナンス
プレフィルタが塵埃を除去してくれているため、2週間に一回掃除機でキレイにする必要があります。
2週間に一回が推奨ですが、忘れて数ヶ月何もしていない時もありますが、特に問題は発生していません。
また、長期保証サービスに加入しているため、年一回にアズビル担当者が定期点検・清掃に訪ねてきます。動作点検と電子式エアクリーナーの集塵セルの交換を行います。
集塵セルは一年使用するとかなり汚れているため、このためだけでも定期点検は行うべきだなと感じます。
住友林業全館空調の保証期間
機器の保証期間は2年間だけですが、毎年メンテナンスが実施される保証プラン(2,750円/月)に加入すれば10年間の保証を受けることが可能です。
購入側としては30年保証してほしいところですが、設備にも寿命があるのでメンテナンスしながら大事に使用し続けるしかなさそうです。
メンテナンスしていれば故障頻度や故障具合も違うため、アズビルが推奨する頻度と方法でしっかり管理していきましょう。
住友林業全館空調の運転状況
全館空調は年中動作させ続けます。
その理由は2つあります。
①換気機能悪化の防止
②カビ・藻の発生防止
換気機能悪化の防止
全館空調は冷暖房の機能だけでなく空調機能も有しています。
気密性の高い住居を実現するために、全館空調が運転していることを前提に換気設計がされています。
空気の循環が悪いとホコリが溜まり、シックハウス症候群を発症しやすいなど健康被害の懸念が挙げられるため注意しましょう。
カビ・藻の発生防止
窓を開けていれば通気性は問題ありませんが、湿度によっては空調を止めることにより配管にカビや藻が発生する可能性があります。
設備の故障や健康被害につながるリスクがあるので、住友林業が製造委託しているアズビルの説明書にも通年で運転し続けることが推奨されています。
春秋は送風に設定していれば電気代も基本料金から千円プラスされる程度なのでリスクを考えると運転し続けるのが懸命でしょう。
まとめ;住友林業全館空調の評判は賛否両論
住友林業の全館空調は大きなメリットはありますが、費用などデメリットもあります。
そのため、注文住宅で何を大事にするか考えることが重要かと思います。
無垢フローリングやデザイン性にこだわるのであれば全館空調はとてもオススメです。
一方で、快適性や住心地を優先するのであれば床暖房+エアコンが良いかなと感じています。
迷われる方は、全館空調のある完成宅の様子を体感してから決めるのが判断するのが良いでしょう。
後悔のない住宅設計をして、快適で幸せな生活を送りましょう!
続いて、外構の値引きに成功した実例をポイント踏まえて紹介します。
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